日本情報ディレクトリ学会 会長挨拶

会長挨拶

会長 石渡利康
日本大学名誉教授 博士(国際関係)

平成27年9月5日に大阪体育大学で開催された全国大会において、会長に選出されました。名誉なことであると同時に、お世話になった学会に恩返しをしたいという気持ちで、重責を引き受けさせて頂きました。私にとって、忘恩の徒は最も恥ずべきことであるからです。
 初めに、自己紹介をさせて頂きます。私の専門は、北欧地域・国際関係、性学、地中海文化、それに国際法の4つです。少し欲張りに見えるかも知れませんが、若い頃学んだ北欧諸国の研究者の中には、複数の専門をもつ人は決して少なくありませんでした。今回の学会発表でのテーマ「フーテンの寅さん、男はつらいよ」は、逆欠如理論を背景にした日本人論でした。これは4つの専門の枠外です。
 さて、学会運営に関しては、次の4つを宗としたいと思いますが、如何でしょうか。
 第1は、「イイカゲン」です。これは、ちゃらんぽらんではなく、「いい湯加減」という表現で使われる、あの「心地よい加減」の意味です。今までと同じように、いや更に会員間の交流を深めてより楽しく心地よい学会にしたいと考えています。
 第2は、極道です。極道というと驚かれる方が多いと思われますが、本来極道は,文字通り「道を極める」という意味で僧侶、求道者について言われた言葉だとされています。私たちにとって、極道とは、研究を深化・発展させ学問の道を極めることに他なりません。私ごとですが、私は今100冊目の単著『北欧法の発展と理念』を書いています。
 第3は、研究をより活性化するために、優れた論文、著書、活動などに対して学会賞を出す制度を作ることです。特に若い研究者にとっては、大きな励みになることでしょう。
 第4は、海外の研究団体あるいは研究機関との連携です。幸い本学会は、ディレクトリの名称が示しているように、極めてマルティディシプリナリーな色彩をもっています。それが一体となっているのですから、クロスカルチュラルな研究が学会の特色であるといっても決して過言ではありません。それぞれの研究分野に携わる会員の皆様は各々海外の研究者、研究組織と多かれ少なかれ関係をもっている筈です。それらを活用すれば、本学会の国際交流は決して困難ではありません。会員となって頂き、学会誌に投稿を誘いかけることも必要だと思います。リサーチ・ペイパーも、もっと活用すべきだと思います。
 学会発展のため、会員皆様方の一層のご協力を切にお願い申し上げる次第です。

以上